「猫をかぶる」の意味・由来・例文をわかりやすく解説【慣用句】
日常会話やドラマなどで「あの人は猫をかぶっている」という表現を聞いたことがあるでしょうか。一見すると可愛らしい印象を受ける言葉ですが、実際には人の性格や行動を表すときに使われます。この記事では「猫をかぶる」の正確な意味や語源、使い方を分かりやすく解説します。
「猫をかぶる」の意味
本心や素の自分を隠して、おとなしく見せかけたり、善良なふりをしたりすることを意味します。普段は勝気で口が悪い人が、好きな人の前や目上の人の前でだけ、大人しく可愛らしい態度をとるような状態を指します。また、自分の本性を隠して相手を油断させる場合にも使われます。基本的には、ネガティブなニュアンスや、少し冷やかしたい場面で用いられることが多い慣用句です。
由来・語源
最も有力なのは、普段はおとなしく身を縮めている猫の習性に例えた説です。猫は普段かわいらしく静かにしていますが、獲物を狙うときや怒ったときには鋭い爪を出します。この様子から「おとなしい仮面(猫)をかぶって本性を隠す」という意味になりました。また、一説には藁で作ったむしろの一種「猫筵(ねこござ)」を頭からかぶって姿を隠す様子が変化したという説もあります。
使い方・例文
思わずクスッとくる例文
「普段は部屋でジャージ姿のままゲームばかりしている姉が、彼氏からの電話に出た瞬間、声のトーンが3オクターブ上がって完璧に猫をかぶっていた。」
普段のガサツな態度から一転して、急にお淑やかな声を出す身内のギャップを可笑しく表現した例文です。恋愛の初期段階で自分を良く見せようとする行動は、まさに「猫をかぶる」の典型と言えます。
ビジネス・日常での活用シーン
ビジネスシーンでは、採用面接で面接官に対して礼儀正しく振る舞う求職者の様子や、取引先との打ち合わせで好印象を与えようとする場面などで使われます。例えば「新入社員のA君は面接のとき猫をかぶっていたようで、配属後はかなり豪快な性格だと分かった」のように、後から素の性格が判明した際によく話題に上ります。
誤用しやすいポイント
「猫をかぶる」を「可愛らしい格好をする」「甘える」という意味だと誤解している人がいます。しかし、単に可愛い言動をすることではなく、「本性やおとなしくない自分を隠して、わざと善良に見せかける」という「騙す・偽る」ニュアンスが含まれる点が重要です。褒め言葉として直接本人に使うと失礼になるため、使用する相手や場面には注意しましょう。
対義語・類義語
- 類義語:「仮面をかぶる」「メッキが剥がれる」「馬脚を露出する」
- 対義語:「地を出す」「素顔を見せる」「裸一貫」
本性を隠して自分を良く見せる類義語と、逆に飾らない素の自分を見せる対義語が存在します。
よくある質問
Q. 「猫をかぶる」の正しい意味を一言で教えてください。
A. 本性やおとなしくない素の自分を隠して、おとなしそうに偽ることです。
Q. どんな場面で使いますか?
A. 好きな人の前や面接の場など、自分を良く見せたい場面で大人しく振る舞っている人に対して使います。
Q. よくある誤用・誤解は?
A. 単に「甘える」「可愛い格好をする」という意味ではなく、「本性を隠す」という偽りの意を含みます。